三島の民話 手鞠歌

手鞠唄

◎ひとつ

おらが殿様

 おらが殿様焼き餅すきで

 ゆうべ九つ今朝また七つ

 ひとつ残してたもとにいれて

 馬に乗るとてぽっとらしょと落とす

 馬はたまげてカラスにくれて

 カラスカーカーいや~いほ~ほと

 いっちょついた

◎ふたつ

たんたん滝の水

 たんたん滝の水

 明日は蓮華の花ひ~らき

 とってもこい

 ようすいむかいの 

 お山のちょうちん花

 咲いたか咲かぬか

 わしゃ知らぬ

 いっちょついた

◎みっつ

ちりんすどんす

 ちりんすどんす

 あ~やの茶屋のちりこぶもりの

 松坂茶屋のにいさん達が

 なにして通る お化粧で通る

 通らば 呼んでこい

 呼ぶひまござらん

 ぐる~っとまわって いっちょついた

◎よっつ

おぼこおぼこは

 おぼこおぼこはよいおぼこ

 隣のおぼこもよいおぼこ

 木綿かっぱに茶の小袖

 野良にも山にもねてみたが

 松葉にさされて目がさめた

 ここはどこよと思ったれば

 鎌倉街道の森のした

 森から続いて諏訪のまち

 諏訪の町から何こうた

 一に香箱 二に硯

 三にさらさの帯こうた

 誰にくりょうとこうて来た

 おまんが死んで今日七日

 それがうそなら行ってみろ

 行ってみたれば おまんがあたり

 松三本 杉三本 あわせて六本

 街どのスズメで 田舎のスズメで

 あがったり 下がったりで

 いや~い ほ~いと いっちょついた

伝承者 故小柴ミヨノさん(西方)