三島の民話 床の間のほめことば

床の間のほめことば

とうざい とうざいと 鳴り物をとめおきまして

そそうなる奴がまかり出で ほめるなどとは しゃれたこと

これも 御客様のご愛嬌に あさぎに さっと ほめましょう

お座敷はるかと眺めれば 唐南天の床柱 牡丹に唐獅子竹に虎

昇り竜には下がり竜 島崎あれば蓬菜山 三方しまだいへ飾られて

尾の井松のその上に 丹頂の鶴が巣をかけて 雄蝶雌蝶が 羽交い並べて舞遊ぶ

下には亀の甲羅干し これを眺める爺と婆 お前百の世 わしゃ九十九の世

共に白髪の生えるまで こんな目出度いお座敷に 集まる客こそ果報者と

ほ ほ 敬って申~す

五十嵐光栄さん(滝谷)