三島の民話 いぬむかし

いぬむかし

遠い遠いむがしのこどだなぁ。
じいさんとばあさんと利口な犬がいだっけど。いっつもどごさ行ぐにも、利口な犬は、じいさんとばあさんの後先になってコロコロコロコロめごがったどぉ。
さで、ある日のごど。
「ワーン、ワン。クーーンッ、ワン」せわしぐほえる。
「なんだぁコロ、何が居んのがぁ?」
「クーーン、クーーン、ワン、ワン」鼻おっつげで尻尾ふってる。
「よしよし、うなってみろってがぁ?」じいさん、チャッカチャッカうなってみだら
「やぁれ、やれ。大判じゃ、小判じゃ」ザックザック出だどぉ。
コロも喜ぶ、じいさんばあさんもよろこんでだら、となりの欲ばりじいさんグイグイやってきて
「借っちぇぐぞーー」コロんどごグイグイひっぱって泣がせだど
「なんだぁ、こうだきったねぇもの~、このやろうめっ」パッカーーン、かっくらずげらっちぇコロッと死んだどぉ。
「おーーおーおー」じいさんとばあさん 泣き泣きコロのお墓こしゃっただどぉ。
したらば、墓がら松ノ木はえできて、グングンずなぐなって
「いやぁ~、コロの木、ずなぐなったぁ」じいさん言うどばあさん
「じいさん、この木で臼こしゃって餅つぐべぇよ」
「なぁやれ、餅ついでコロさ食かせべぇ」早速、こしゃって餅ついたどなぁ。したれば、ヤイヤイヤイヤイ
「やぁれ、やれ。大判じゃ、小判じゃ」ザックザック臼がら出だどぉ。
「コロやれ、ありがど、ありがど」つってだら、となりの欲ばりじいさんグイラショーーッ
「かっちぇぐぞっ」持ってって、餅つきしたど。したらば
「うっ、なんだぁ、こうだきったねぇもの~」怒った欲ばりじいさん、パッカラショーつうどわっちまった。
「おーーおーおー」じいさんとばあさん、泣き泣き松ノ木の根元で燃やしてやったどぉ。気持ちの優しいじいさんとばあさん
「コロよ~ごめんよ~。ほ~ら天国さ行げよー」ってなぁ。したっけが、風がプーーッちゃせだっけがなぁ、風に灰汁がとんで、チリリーーン、チリリーーン、枯れ木さ花さいだどぉ
「お~や、おや。コロやれ、どごまでもおまえは良いやつだなぁ」
じいさん、ばあさんは、灰汁をたがって、あっちこっちの枯れ木さまいであるいだどぉ。
「チリリン、ポリン、小金の花~。チリリン、ポリン、小金の花~」
やれ見事に桜が咲いて見事だったどぉ。
「おおー、見事みごとじゃ」それを見た殿様にごほうびまでもらって、やさしいじいさんとばあさんとコロのむかし・・・ざっとむかしがさげだ。

元話 滝原の某 氏 (滝原)
再話 五十嵐七重さん(西方)