木造持国天立像


木造持国天立像(HP)_R町指定有形文化財(美術工芸)

名入地区の観音堂に安置された木造の持国天立像。元慶8年(884)、御坂山大高寺の僧である祐覚によって造立されたと『会津正統記』には記されている。

欅の一木で造られた像体は、永い風雪の中で両腕を失い、また足下の邪鬼は後世のもの。像体の腹帯獅子喰部に残る朱彩痕からは、造立時の華麗な彩色が偲ばれ、彫刻の技法は、勝常寺四天王像の手法を継ぐものと考えられている。

特徴は「すっかぶりに縫い立て」とお話をうかがった地元の方の説明を受ける。すっかぶりとはこうもりの事でこうもりの様に顔の造作が中心にきゅっと集まっていることだという。

現在安置されている場所は、宮下から西方へ抜ける道路沿いのお堂(観音堂)。

杉木立の陰で湿気が多い。中央に2体の菩薩像(勢至菩薩、観世音菩薩)が、村民が心を込めて縫い上げた赤い着物を幾重にも纏(まと)って立っており、その脇に三島町の重要文化財に指定されており、しかめ面の持国天が安置されている。

四天王の一人とされる持国天は東方を守護するものといわれ、当時大高寺の東端の領地の名入にこれを安置したとも云われる。

持国天は町の文化財に指定されていることもあり、ガラスケースに保存されている。その隣には同時期に作られたのではないかと思われる多聞天(毘沙門天)像が祀られているが、虫食いの痕も激しく湿気による腐朽が進んでいる。

<奥会津書房『三島町散歩』より>