三島の民話 笛吹き兄弟

笛吹き兄弟

むかし昔なぁ、笛を吹くのがとっても上手な兄弟がいたそうだ。兄弟は病気で死んだそうだ。両親は悲しくて毎晩泣いていたそうだ。思い余ってお寺の和尚さんに一回だけ、もう一回だけ会ってみたいとお願いしただと。和尚様は「では一回だけ会せてやる」といい「今夜お寺に来なさい」と言ったそうな。両親はワクワクしながらお寺に行ったど。和尚様は両親を蚊帳の中に入れたそうな。「何があってもここから出てはならぬぞ」と念を押し部屋から出て行っただと。やがて真夜中になり笛の音が聞こえてきたど。それはそれは美しい音でうっとりする位だったど。やがて兄弟は蚊帳のそばまでくるとそのまわりを何遍も回りはじめたど。「人間のにおいがする~~」と言って回っていたそうだ。蚊帳の中にいた両親は怖くなってガタガタふるえていたそうだ。やがて夜が明けるころ、腰にさしていた刀のツカの鳥が「コケコッコ~~~」と鳴いたそうだ。兄弟は蚊帳の回りを回っていたがピタッと止まり「もう少しだったのに残念だぁ残念だぁ」と言って帰って行ったど。

死んだ人のことをいつまでも思う気持ちはわかるがなぁ・・・・

ざっと昔、栄えもうした